今回から数回に渡って戦闘に関するルールを解説していくのですが、一つ頭に入れておいて頂きたいことがあります。一般的なRPGでは戦闘シーンはゲームの華ですが、『Cepheus Engine』ではスリルと興奮こそ味わえるもののできることなら避けた方がいいです。
なぜなら、ルールがプレイヤー側とレフリー側で全くの公平、イーブンに設計されているからです。他のゲームのように雑魚を10人単位でなぎ倒したり、プレイヤー側に強力な逆転手段が用意されていることはありません。よって、基本的に人数で劣る側が勝利するのはかなり難しいです。もちろん戦術を駆使したり、地形を利用したり、不意討ちを決めたりすることで補うことは十分可能ですが、その前に、敵より多くの人数を集め、状況を探り、武器や補給を整えるなど、戦闘前に戦略レベルで勝利の算段をつけておくことこそが大事です。実際に戦闘が始まってしまえば、お互いに無傷では済みませんし…。
では今回は個人戦闘ルールについて。『Cepheus Engine』の個人戦闘は1.5メートル四方のスクエア(マス)で格子状に戦場が区切られます。移動や射程などの管理もこの1マス単位です。また、1ラウンドは6秒です。
レフリーが戦闘状態に入ったと考えたなら、戦場マップにユニット(コマ)を配置していきます。その際、交戦しあう集団同士の距離はレフリーの裁量と常識で決定されます。
■不意討ちの確認
まずレフリーは不意討ちが発生するかどうかを確定させます。状況を考慮してレフリーが不意討ちができると判断した場合は、不意を突いた側全員の行動順を決めるサイコロ(後述)が自動的に12となります(それか、自動的に戦闘を避けることもできます)。
■行動順(Initiative)の決定
戦闘に参加している全員がここで行動順を確定させます。全員の「2D+敏捷度DM」の結果を確認し、数値が高い順に行動していくことになります。ただし、〈戦術〉技能を持っている場合はここで判定を行い、効果値(8との差)をその者から「連絡のつく全員」の行動値に加えることができます(※複数人が〈戦術〉持ちだった場合の処理は曖昧になってしまいました(原典では「最大値のみを採用」)。指揮官のみが振れる、と定めるのも良いかもしれません。また、〈戦術〉判定の結果が負だった場合に破棄して良いかも曖昧です)。
「連絡のつく全員」としたのは、何らかの理由で集団が分断された場合に恩恵が受けられないことを意味します。この場合、分かれた集団に〈戦術〉を持つ者がいるなら以後は別個に〈戦術〉判定が行われます。
この行動順は戦闘開始時に定められますが、戦闘中に行動順が変化する場合があります。例えば、各ラウンド開始時に「急ぐ」を宣言することによって一時的に行動順に+2を得ることができます(代わりにそのラウンド中の全ての行動にDM-1)。
なお行動順が同点の場合は敏捷力の大きい方から、それでも同じ場合は同時行動(とルールにありますが、順番のあやもあるので何かしらの手段で決めるべき)です。
■行動(Actions)
行動順が回ってきたら行動を行います。1ラウンド(6秒)の間にできることは、「マイナーアクション(Minor Actions)1回」と「メジャーアクション(Significant Actions)1回」です。どちらを先に行うかはプレイヤーの判断次第です。
あと、警告を発するとかボタンを押すとか、判定の必要もないような簡単な行為は「フリーアクション(Free Action)」として自分の手番の好きなタイミングで行えます。
加えて、行動順が回ってきた時に「遅らせる」ことを宣言できます。これを宣言したキャラクターは、他のキャラクターの行動に割り込んで行動ができます(同時に、割り込んだキャラクターの行動順は割り込まれたキャラクターの数値と同じに再設定されます)。ラウンド終了まで行動を「遅らせ」続けたキャラクターは、次のラウンドの最初に行動することができます(そのキャラクターの新しい行動順は、全体で最も早い行動順の数値+1となります)
■マイナーアクション(Minor Actions)
狙う Aiming
目標を定めて「狙う」を宣言することにより、1回につき命中判定のDM+1を得られます。最大で+6まで溜めることができますが、一度攻撃すると無効となります。
急所を狙う Aiming for the Kill
これを宣言することにより、1回につき命中判定にDM+2、その目標へのダメージに+2の修正を得ます。これも最大で+6まで溜めることができますし、一度攻撃すると無効になるのは同じですが、加えて、宣言を行っている最中は移動や反応(後述)ができなくなり、他者から攻撃を当てられる(※文章に"hit"とあるので負傷の有無は関係ないと思われますが…?)ことでも溜めた修正は無効となります。
姿勢を変える Changing Stance
キャラクターの取れる姿勢には3種類あり、「伏せ(prone)」「片膝(crouched)」「立つ(standing)」の状態を切り替えることができます。姿勢によって命中修正やできる行動に影響があります。
構える/装填する Drawing and Reloading
準備していなかった武器を鞘から抜いて構えたり、弾切れの際に再装填します。武器ごとに弾薬装填にかかるマイナーアクション数が定められていますが、大抵は1回です。
移動する Movement
基本的に1ラウンドで6メートル(4マス)移動できますが、悪路など移動し辛い地形や「片膝」状態の場合は移動量が半減します(※匍匐前進はルール上できないので、「伏せ」状態では移動不可となります)。
その他 Miscellaneous
技能判定など、(2~3秒程度で)レフリーが行えると判断したものを行えます。
■メジャーアクション(Significant Actions)
マイナーアクションを2回行う Minor Actions
メジャーアクションをマイナーアクション2回に変換します。これにより、例えば1ラウンドで移動を3回=12マス移動、ということも可能になります。
攻撃する Attack
詳しくは後述します。
とどめを刺す Coup de Grace
近接距離(3メートル)以内の行動不能の相手を自動的に殺害します。
その他 Miscellaneous
超能力の使用や技能判定など、(6秒以内で)レフリーが行えると判断したものを行えます。
戦闘の主目的は相手に攻撃を当てることです。これに関するルールは色々ありますので、しっかり把握しておきましょう。
自分の行動で攻撃を宣言したら、攻撃目標を定めて自分との距離を確認します。斜線など、攻撃が可能であることの確認が取れたら以下の判定を行います。
白兵戦武器を相手に命中させるには:〈白兵戦〉、筋力か敏捷度、瞬時、難易度は距離次第
射撃武器を相手に命中させるには:〈射撃武器〉、敏捷度、瞬時、難易度は距離次第
投擲武器を相手に命中させるには:〈運動〉、敏捷度、瞬時、難易度は距離次第
まず、命中の難易度は相手との距離に左右されます。これは武器種別ごとに定められていますが、この武器種別は〈白兵戦〉や〈射撃武器〉の技能の種別とは異なりますので気をつけてください。命中における武器種別は、白兵戦武器が「至近(Close Quarters)」と「近接(Extended Reach)」の2種類、射撃・投擲武器が「投擲(Thrown)」「拳銃(Pistol)」「長銃(Rifle)」「散弾銃(Shotgun)」「Assault Weapon(※訳語を迷っています)」「ロケット砲(Rocket)」の6種類で、それぞれ距離ごとに難易度が「命中難易度表(Table: Attack Difficulties by Weapon Type)」で定められています。
目標までの距離の分類は以下の通りです。
至近距離(Personal):1.5m以内(0マス)
近接距離(Close):1.5~3m(1~2マス)
近距離(Short):3~12m(3~8マス)
中距離(Medium):12~50m(9~34マス)
遠距離(Long):51~250m(35~166マス)
超遠距離(Very Long):251~500m(167~334マス)
遠方距離(Distant):501m以上(335マス以上)
0マスの欄があることでわかるように、他者と同じマスに侵入が可能であることに注意してください。
例えば、9m(6マス)離れた敵をレーザーカービンで撃つ場合、距離が「近距離」で武器種別は「拳銃」ですから、表を見て難易度は「並(±0)」であることがわかります。これが敵に9マスまで離れられると「中距離」になるので難易度は「難(+2)」に上がります。また、武器種別は「拳銃」ですが、射撃に必要な技能は〈ピストル〉ではなく〈エネルギー・ライフル〉です。
難易度が定まれば、後は武器技能レベルと能力値DMを加えて判定…とはいきません。ここから更に様々なDMがかかります。
狙う Aiming
目標に対して「狙う」行動で得ていた修正を加えます。
隠蔽効果 Cover
目標の体がどれだけ障害物で隠されているかで命中に-1~-4の修正が課されます。完全隠蔽で-4、75%隠蔽で-2、50%隠蔽で-1、25%隠蔽で±0ですが、姿勢が「片膝」「伏せ」の場合は隠蔽具合が1段階上になります(よって、無隠蔽状態でただ「片膝」になっただけでは命中に影響は与えないのです)。また、完全隠蔽状態で「片膝」「伏せ」をしていると命中判定は自動的に外れとなります(ただし応射もできません)。
環境効果 Environmental Effects
暗闇や天候状況など、現在の周囲の環境によって命中に-1~-4の修正が課されます。
武器の電脳化 Intelligent Weapon
武器にコンピュータを内蔵させることによって、ソフトウェアによる命中補正を受けられるようになります(※「スキルウェア(Expert Skill Software)」によるものなので、「ソフトの技能レベルを代わりに使う」か「ソフト以上の技能レベルを持つならDM+1」のどちらかを得られると思います。ただし、このソフトは「知力か教育度ベースの技能のみ」とも書いてありますし、武器に搭載できるコンピュータのメモリ量との兼ね合いで最大0レベルしか得られないように読めますが…?)。
照準器 Laser Sight
(レーザーに限らず)照準器を搭載した銃器の場合、「狙って」攻撃した際に命中に+1の修正を得られます(※明記はされていないので、+6の上限を越える唯一の手段ではないかと思います)。
移動補正 Movement
目標がこのラウンドで移動している場合、10mごとに命中に-1が課されます。
目標が反応した Reactions
攻撃の目標となった者はそれに「反応」して「回避(Dodges)」または「受け(Parries)」を宣言することができます。命中に不利なDMを課させる代わりに、目標の行動順はそのラウンド中一時的に2下がり、そのラウンドの全ての行動にDM-1が課されます。また、この負の補正は同じラウンドで反応を繰り返すごとに累積します。
射撃武器で狙われたのなら「回避」を宣言することで、命中判定を-1させます。
白兵戦武器で狙われたのなら「受け」を宣言することで、命中判定に「受ける側が今装備している白兵戦武器の技能レベル」だけマイナスDMを課せます。
(※逆に言えば、そのラウンドで行動済みのキャラクターは気兼ねなく反応ができるということになりますが…)
目標の姿勢 Target Stance
目標が「伏せ」ている場合、中距離以上からの攻撃には命中判定にDM-2が課せられますが、逆に至近距離(1.5m以内)まで詰めるとDM+2となります。
武器の反動(無重力環境のみ) Weapons with Recoil (in Zero Gravity)
反動(Recoil)のある武器を無重力状態で使用した場合、命中に-2されます。
こういったあらゆるDMを加味して8+を出せば命中、出せなければ外れとなります。命中した場合は当然ダメージ処理に移行します。武器ごとに定められたダメージの数だけサイコロを振り、その合計値から目標の装甲値(Armor)を引いたものが最終的に与えるダメージとなります。なお、命中判定が例外的成功(14+)だった場合は最低でも1ダメージが保証されます。
ダメージを受けた場合、そのダメージはまず耐久力に入ります。耐久力が0になってもまだダメージが残っているのなら、筋力か敏捷力のどちらかが(負傷するキャラクターが選んで)減らされます。2つ目の能力値が0になってもまだダメージが溢れているのなら、残るもう1つを減らしていきます。
ダメージを受けた結果、現在の能力値の状態によって負傷の度合いが決まります。
1点でも能力値が減った:軽傷(wounded)
3つの能力値が全て1点以上ずつ減っている:重傷(seriously wounded)
2つの能力値が0になった:気絶(unconscious)
3つの能力値が0になった:死亡(dead)
例えば、耐久力が0になって軽傷となり、筋力も減った状態で更にダメージを受けた場合、筋力を削れば気絶するが敏捷力を削れば重傷で留まる、というケースも考えられます。重傷状態でも戦闘続行は可能ですが、1回の移動量は1.5m(1マス)にまで落ち、手番で与えられるマイナーアクションは自動的に放棄されます(よって、マイナーアクションを行うためにはメジャーアクションをマイナー2回に変換するしかありません)。
ここで注意が必要なのは、2つの能力値がぴったり0になって気絶した場合は重傷ではなく軽傷だということです。この負傷具合の違いは治療の際に影響しますので間違えないようにしてください。
『Cepheus Engine』はヒットポイント制ではなく能力値自体が削れる方式なので、ダメージを受けると必然的に能力値DMも変化します(と言うより、変化しなければヒットポイント制を採用するのと変わらないです)。間違えないように処理してください。
ちなみにルールの都合上、筋力の重要性は敏捷力に劣るため、よほど筋力に自信があって敏捷力が少ないのでなければ、耐久力→筋力→敏捷力の順に削っていくのが定石となるでしょう。筋力は荷物の運搬力にも関わるので、常に筋力を削ればいいというわけでもないですが…。
(※敏捷力DMが減った場合に行動順が変わるかどうかは不明確ですが、変化させない方が混乱がないと思います。どのみち「待つ」ことでいくらでも変化させられますし)
こうして自分の手番が終了したら、次の行動順の人が行動して…を繰り返し、(行動を遅らせ続けている人も含めて)全員が行動を終了したら次のラウンドが始まります。また行動順の数値が一番大きい人から行動を開始します。
■特別ルール(Special Considerations)
乱射 Blind Firing
目標を見ないでとにかく(オート射撃を含めて)撃つため、技能レベルは0レベル扱いとなり、命中判定のサイコロは「3Dのうち一番高い目を捨ててから合計」したものが使われます。また、射程内の敵味方関係なく全ての対象の中から目標がランダムに選ばれます。
(※隠蔽具合などによる命中修正を確定させないといけないため、まずランダムに目標を決めてから判定を行うべきです。また、完全隠蔽状態から乱射ができるかどうかは明記が無いですが、乱射の目的を考えるに状況がおかしくなければ許可してもいいでしょう)
バースト射撃 Burst Fire
複数のRoF(Rate of Fire)値を持つ銃器は「バースト射撃」が可能です。1回の攻撃でRoF値と同じだけ弾薬を消費することにより、命中やダメージが上方修正されます。どれだけ修正されるかはバースト射撃効果表(Table: Burst Fire Effects)を参照してください。
(※おそらく「通常/バースト/オート」の各モード切り替えはフリーアクションなのでしょう)
爆発物 Explosions
手榴弾やロケット砲など爆発を伴う武器は、着弾地点の周辺に影響を及ぼします。爆風に対して回避反応を行えばダメージは1Dだけ減らされます(当然行動順は減少します)。隠れ場所を求めて「飛び込む」のならダメージを半減させられますが、代わりに自動的に「伏せ」姿勢となり、次のラウンドのメジャーアクションが放棄されます。
誤射 Firing into Combat
射撃目標と同じマス(至近距離)に他のキャラクターが居る場合、目標への命中にDM-2が課されます。更に、それで攻撃が外れた場合は1Dで4+を出すと目標から最も近い対象に誤って命中します。
格闘 Grappling
至近距離の対象への〈生得武器〉攻撃が成功し、更に対象の〈生得武器〉判定に勝利した(出目で上回った)場合、通常のダメージを与える代わりに以下の行動1つが成功したことにしても構いません。
- 判定が例外的成功なら対象の武器を奪う、成功なら対象の武器を地面に落とさせる。
- 対象を3メートルまで引きずる。
- 現在の格闘状況から逃れる。
- 対象に「2+〈生得武器〉判定の効果値(※おそらく自分と相手の判定の出目の差)」ダメージを与える。
- 打撃により対象を伏せ姿勢にさせる。
- 対象を3メートルまで投げ飛ばして1Dダメージを与え、格闘状況を終わらせる。
なお、これらの行動後に判定の勝者側は現在の格闘状況を終わらせるか続行させるかを選択できます。続行させた場合はこの状況が続く限り、〈生得武器〉の対抗判定に勝利した方が上記の行動を選択できます。
パニック射撃 Panic Fire
命中にDM-2され、弾薬を全て消費する代わりに、バースト射撃と同じダメージ補正を得られます(おそらくバースト不可な銃器でも)。
散弾の拡散 Shotgun Spread
散弾銃で中~遠距離の目標を攻撃した場合、ダメージが2Dに減らされる代わりに命中に+1されます。また、目標から至近距離(同じマス)にいる全ての対象に命中します(※おそらく上記の誤射ルールの例外と思われます)。
〈リーダー〉技能の使用 Leadership
戦闘中にメジャーアクションで〈リーダー〉技能を使用すると、8を上回った数値だけ対象1人の行動順を増加させることができます。
他にも、戦場における通信手段(Battlefield Comms)、戦場の天候(Battlefield Conditions)、探知機(Battlefield Sensors)、制圧射撃(Suppression Fire)のルールがありますが割愛します。
さて、個人戦闘ルールをざっと解説してきたわけですが、このルールで生き残るには「できるだけ奇襲をかける」「先手を取る」「防具や遮蔽物をちゃんと確保する」のが大事だということがお分かりいただけたでしょうか。とはいえファンタジーRPGと違って、よほど治安の悪い所でもなければ街中を防具を着て歩くわけにもいきませんから、そもそも戦闘にならないように行動するのが肝心です。
あと、レフリー側のダメージ管理も結構負担になるルールなので、管理シートを用意するなり、雑魚敵のUPPは一律555555、一般兵で777777…という具合に手抜きするのもありでしょう。
それとルールに記載はないですが、何も全滅するまで戦う必要もありません。真っ当な物の考えをしているなら全体の25%も戦闘不能になったら逃げるか降伏するかを考えます。〈リーダー〉技能を使った士気判定ルールを用意するのもいいと思います。
続いて、傷を負ったなら回復しなくてはなりません。〈医学〉技能持ちがここで大活躍します。が、ゲームなので現実よりも回復は早いとは言え数日間の離脱を強いられるので、やはりそもそも無駄に怪我をしないのが第一です。
■自然治癒(Natural Healing)
負傷したキャラクターは、丸一日静養に努めれば「1D+耐久力DM」点だけ能力値が回復します(※回復させる能力値はポイント内で好きなように選んで構いません)。一方、何か行動しながらだと回復量は「1+耐久力DM」点、重傷状態だと静養していても「耐久力DM」点となります。ここで気を付けるべきなのは、耐久力DMがマイナスとなっている場合、自然治癒に任せていては逆にダメージを受けてしまうということです。特に重傷状態では必ず耐久力は0になっているはずですから、放置すれば毎日3ダメージを受けてしまいます。
■医療による治癒(Medical Treatment)
自然に任せては治らないことを理解したところで、〈医学〉技能を使用した治療について解説します。この場合、以下の手法が可能です。
応急手当て First Aid
怪我をしてから5分以内に応急手当てを受けたなら、「〈医学〉判定の効果値(8との差)の2倍」点ほど失われた能力値が回復します。5分を過ぎてしまっても1時間以内なら〈医学〉効果値と同じ点だけ回復します。なお、自分自身を応急手当てする難易度は難(-2)です。
この段階で「軽傷」まで回復させられれば自然治癒も見込めるのですが、そうでない場合は…
(※『Cepheus Engine』では明記がありませんが、応急手当ての判定書式は「〈医学〉、教育度、1D分、並(±0)」です。よって、判定を急がない限り戦闘中の応急手当ては現実的ではありません。また、装備品の「医療キット(Medical Kit)」は必要だと思います)
(※応急手当てに失敗するとダメージを受けるのか?という疑問については、おそらく「失敗は回復しないだけ」と思われます。そして戦闘後5分以内に最初の判定機会があり、失敗したら1時間以内に最後の判定機会がある、と解釈していいと思います)
(※気絶状態から意識を取り戻すタイミングが不明ですが、おそらく応急手当てで気絶状態を脱すればその時点で、できなければ自然回復などで軽傷状態に戻らなければ眠りっぱなしなのでしょう)
手術 Surgery
応急手当てを施してもなお重傷状態であるのなら、手術が必要となります(重傷でないのなら手術は意味がありません)。手術には病院や(船の)病室が必要で、執刀医の〈医学〉効果値だけ回復しますが、効果値がマイナスならダメージとなります。手術を繰り返して1つの能力値が全快すれば「軽傷」状態となるので(※後のことを考えれば耐久力から回復してもらうべきですが、あえて元の能力値が低い所を手術して全快を急ぐ手もあります)、術後は入院して治癒に専念することになります。
なお、自分自身を手術する難易度は至難(-4)です。
(※手術費用は1回につき「1D✕50✕TL」クレジットだそうです)
入院 Medical Care
入院ということなので、当然病院や病室の寝台で静養する必要があります。回復量は1日ごとに「2+本人の耐久力DM+担当医の〈医学〉技能レベル」点で、損害を受けている能力値が均等に回復していきます(※手術後なら能力値1つは完全回復しているはずですから、残る2つで半々に分け合うことになるわけです)。
(※入院費用は1ヶ月で「100✕TL」クレジットだそうですが、30日以上も入院することはないでしょう)
最後に、現在『Cepheus Engine』SRDに掲載されている武器を、技能別に「推測して」分類してみました(重火器は全て〈重火器〉で扱えるので割愛)。まあ見たまんまではあるのですが、なぜかルールではその分類が曖昧なまま放置されているので…。
〈白兵戦〉武器
〈生得武器〉:非武装攻撃(Unarmed Strike)
〈殴打武器〉:棍棒(Cudgel)
〈刺突武器〉:槍(Spear)、矛(Pike)、槍斧(Halberd)、銃剣(Bayonet)、フルーレ(Foil)
〈斬撃武器〉:短剣(Dagger)、剣(Sword)、長剣(Broadsword)、小剣(Blade)、カトラス(Cutlass)
〈射撃戦闘〉武器
〈弓術〉:弓(Bow)、クロスボウ(Crossbow)
〈エネルギー・ピストル〉:レーザーピストル(Laser Pistol)
〈エネルギー・ライフル〉:レーザーカービン(Laser Carbine)、レーザーライフル(Laser Rifle)
〈散弾銃〉:散弾銃(Shotgun)
〈ピストル〉:レボルバー(Revolver)、オートピストル(Auto Pistol)、ボディピストル(Body Pistol)、ジェットピストル(Snub Pistol)
〈ライフル〉:カービン(Carbine)、ライフル(Rifle)、オートライフル(Auto Rifle)、アサルトライフル(Assault Rifle)、ジェットライフル(Accelerator Rifle)、戦闘ライフル(Advanced Combat Rifle)、磁気ライフル(Gauss Rifle)、短機関銃(Submachinegun)
次回は順当なら車両戦闘ルール…なのですが、とりあえず遊ぶのに必要なルールは一通り解説できたのでもういいかなぁ、という気もしてきています(汗)。むしろこの『Cepheus Engine』を一回総括してしまおうかとも考えたりしています。
では反響次第でもうちょっと頑張る、ということで。