以下に書かれているのは一般には知られていなかったり、伏せられていたり、1105年以降に判明したりする「プレイヤーには秘匿すべき」情報です。
【ライブラリ・データ(レフリー限定)】
宇宙港の虐殺 Starport Massacre
イルドリサール(2326)で1109年に発生した事件のことです。合州国でダルドリーム新政権が発足してから、この星では抑圧的な政策への不満が住民の間に高まっていました。
そして1109年148日、宇宙港周辺で抗議活動を行っていた住民に合州国平和維持軍(Assembly Peacekeepers)が発砲してデモ参加者314名が死亡し、これをきっかけにイルドリサール全体で反乱の火の手が上がりました。国軍側は精鋭アスラン傭兵のテレーイホーイをも投入して宇宙港といくつかの都市を制圧しましたが、反政府過激派「イルドリサール愛郷戦線(Ildrissarian Patriotic Front)」が主体の地元暫定政権側も、有名な傭兵部隊であるカレドン・ハイランダーズの2個大隊と契約して対抗しています。
ガージパジェ Gaajpadje 1124 E667874-4
1108年のカレドン・ベンチャーズ社との貿易協定締結を受け、都市国家リジュジャにCクラス宇宙港の建設が進んでいます。完成は1120年頃と見込まれています。
(※アスランとの交易は長年Eクラスで済んでいたので、この建設は人類主導で行われていることが推察されます)
カーリル合州国 Carrillian Assembly
ダルドリーム大法官は、1107年に新たに国家非常事態宣言を発令しました。既に大法官へ様々な権限委譲が行われていたため、合州国市民は為すすべがありませんでした。ダルドリームはすぐに報道機関を取り締まり、反対派を捕らえ、更に自党からも穏健派や政敵を一掃し始めました。トラベラー協会はカーリル星系にアンバーゾーン指定を行い、カーリル星系のUWPもA0009AE-Eに変更しています。
以前の合州国では加盟星系がそれぞれ独自の軍隊を保有し、共通の装備と訓練基準を持っていましたが、ダルドリーム政権成立後は全ての軍事力が国軍の「合州国平和維持軍(Assembly Peacekeepers)」に集められ、中央の直接指揮下に置かれることになりました。そして平和維持軍は、国内外を問わず軍事介入を行っています。
カレドン・ベンチャーズ社 Caledon Ventures
1105年以降、同社は積極的に商圏を開拓していきました。1108年にガージパジェ(1124)の知的種族ジアージェと(※1114年にはクトリング族とも)交易協定を結び、1109年にはトーレァ(1226)の先住知的種族ポリフェメーとも接触しました。そのトーレァの北大陸には1113年に恒久的な交易拠点を設立していますが、翌年、その星の貿易を長く独占してきていたアスラン商社ハテューウィの報復に遭って破壊されました。
また、1113年末には経営が傾いていたSDTC社を吸収合併し、レジャップール(1218)の統治権とジャイヘの輸出販売権を得ています。
クトリング族 K'Tring
ガージパジェ(1124)に住む人類で、「クトリング人」とも呼ばれますが、彼らはイルサラ人(ドレシルサー人)の一民族に過ぎません。しかし歴史の皮肉で、今や人口では母星よりも栄えているのです(※母星ドレシルサーの人口が900万人なのに対し、クトリング族は推計3億6000万人)。
-897年、一隻の軍艦がガージパジェ東大陸の山岳に不時着しました。乗組員はトリングという民族が主体のイルサラ人兵士で、交戦後のミスジャンプでこの星に流れ着いたのです。艦を修復する技術が失われて故郷への帰還を断念した彼らでしたが、定住するには十分な知識は残っており、男女比の面でも人口拡大に支障はありませんでした(※イルサラ人は男女同権社会のため、女性軍人も多く乗り込んでいたのです)。
やがてクトリングと呼ばれるようになった彼らは、無慈悲で軍国主義的な文明を築き、軟弱で下等とみなした東大陸のジアージェ都市国家を1000年以上かけて征服し尽くしました。しかしジアージェより上とはいえ彼らの当時の技術力では、ガージパジェの広大な海を横断して西大陸に攻め込むことはできませんでした。ただし、一部のクトリング族(主に犯罪者や逃亡者)は海を渡って、西大陸のジアージェ都市に隔離街(ゲットー)を構築しています。
近年、ガージパジェにはアスランやカレドンの商人が訪れていますが、クトリングには商売相手としての魅力が乏しく、これまで外世界との接触は全くありませんでした。しかし、宇宙に目を向けたジアージェに呼応するように彼らも外世界の勢力(ソロマニやアスラン)との接触を試みていると囁かれています。
(※ガージパジェがTL4評価なのは、1032年頃に行われた帝国偵察局による第二次大探査でクトリング文明を見落としたから…という定説は流石に無理があります。当時はジアージェ文明と大差なかったが70年後に軍事技術がTL6に達した、とする方がまだ納得できます)
サイエ Saie
母星:シーン(1705)かヴィチー(2005)
約3700年前、破滅的な内戦の末に痕跡すら残さず絶滅したと思われている知的種族ですが、実はツァネシ(1711)のヰン=ツァイこそがサイエの末裔だったのです。加えて、グレンシエル(1912)に不時着したサイエは、アネクトール山の風霊獣(Windstalkers)に「退化」して今も生き延びています。
ジャイヘ Jaihe
レジャップール(1218)原産のジャイヘ(現地語でジャイヘブレク(Jaiheblek))は、カレドン公王国や帝国で人気の温かい飲み物に加工される(※葉や実を焙煎するのではなく、茎の節から成分を抽出するようです)植物です。846年からSDTC社によって現地からの輸出が始まったジャイヘですが、1108年からは現地の混乱によって入手が難しくなっています(※輸出が再開されるのは1114年以降です)。
ダンシニー連合 Confederation of Duncinae
1108年にトーマス・バーナム提督(Admiral Thomas Birnham)を中心として海軍の一部が決起した、いわゆる「08年反乱(Rebellion of '08)」が発生しましたが、クーデター政権は短命に終わり、失脚した提督は流刑星コベントリー(1723)に1110年に収監されました。それ以降の同星系では、監視所の戦闘機や小艇の発着能力が増強され、人員も増やされるなど、保安体制が強化されています。バーナム提督の奪還計画の噂はいくつもあり、それらが結実しないようにするためです。
「マクベス号事件」後の連合は、1114年038日に行われた連合評議会議長(President of the Confederacy Council)選挙で強硬派のロジャー・ヴェイン前マールハイム大使(Roger Vane, the former ambassador to Marlheim)が当選したため、大公国との緊張が増しています。
トーレァ Htalrea 1226 E767610-1
何らかの理由により、アスラン氏族による封鎖は1109年に解かれました。
フオスキーキール H'Oskhikhil
母星:「ストーム」こと300-207(1404)
彼らの母星である、分類番号「300-207」星系にはこれまで生命はいないと思われていました。しかし実は、帝国偵察局は偏芯軌道にある捕獲惑星を見落としていたのです。近年、カレドン・ベンチャーズ社の商船がアンジェラ(1406)で難破していた未知の異星人の亜光速船を発見し、その記録から辿り着いた「嵐の惑星(ストーム)」で知的種族フオスキーキールと接触しました。
彼らは全高0.5m、横幅1.5mの円盤状の体をしていて、母星の偏心軌道は、彼らの生涯を2つの段階に大きく分けました。知性と技術を持った成体は、繁殖した後、食欲だけで動く幼体に捕食されるのです。これにより比較的最近まで、この種族は永続的な技術社会を発展させることができませんでした。成体は文化と技術を次の世代に伝えるために、守りを固めた避難住居を建設しています。
ポリフェメー Polyphemes
母星:トーレァ(1226)
ポリフェメーは原始的な狩猟採集社会を形成しています。飛び出た耳と大きな一つ目、屈強な体を持つ、大きな体格の二足歩行種族です。彼らはごく最近になって(人類と)接触したので、まだ詳しいことはわかっていません。
マクベス号事件 MacBeth Affair
1113年187日にマールハイム大公国領のミラク(1127)で発生した暴動の後、ダンシニー連合籍の商船マクベス号の乗組員が、関税法違反、無許可通商、大衆扇動、大公国治安維持局員(Ducal Security officers)への暴行など17件の容疑で逮捕されました。
大公国当局の公式見解では、マクベス号の乗組員が現地法に反して暴動を誘発したとしています。一方で企業側は、暴動がマクベス号への嫌がらせに対する現地市民の反発から起きたもの、とする証拠があると主張しています。
ルウシャカアン Luushakaan 2021 D541513-5
実はスターンメタルを襲ったのはデルガドに偽装した傭兵で、その雇用主はダカアル社です。同社は巨大企業同士の対立を煽ることでルウシャカアンにおけるスターンメタルの独占を崩し、他の収益性の高い市場への足掛かりにしたいと考えているのです。
レジャップール Rejhappur 1218 B651613-A
1105年、SDTC社はパーシバル・ジェイミソン卿(Sir Percival Jameison)をレジャップールの新支社長として送り込みました。傲慢で頑固で自惚屋でもあるジェイミソン卿は、流血をも辞さずハップラーニ人を軍事力で従わせようと、遊牧民に対する残忍な鎮圧作戦を実行しました。しかし戦略家としては素人だったジェイミソン卿のこのやり方は裏目に出て余計に遊牧民らの怒りを買い、1108年、ジェイミソン卿は視察先のパジナウィ入植地で遊牧民の襲撃を受け、彼を含め入植地の外世界人全員が殺害されました。
この事件を機にハップラーニ人による反乱が惑星全体にすぐに広がりましたが、最終的にカレドン公王国の政治介入によって収まりました。反乱はSDTCの経営に大打撃を与え、同社はレジャップールを支配する力を失いました。その後、SDTCを吸収合併したカレドン・ベンチャーズ社がこの星の新たな統治者となりました。